Web3のキホン

“Web3”とは


 「Web3」は、次世代インターネットとして注目される概念です。技術面の進化と情報授受のあり方から、情報革命の時代を3つのフェーズに分けて捉える考え方として登場しました。「Web3」の定義については様々な見解がありますが、電子メールとウェブサイトを中心としたWeb1、スマートフォンとSNSに特徴付けられるWeb2 に続くものとして、具体的に「Web3」は以下のような特徴を持つと考えられています。

分散化

「Web3」は、中央集権的なプラットフォームやサービスに依存しない分散型のインターネットを指向しています。その基盤はブロックチェーン技術によって支えられ、ユーザー自身がデータを管理し、プライバシーを守ることが可能になります。

仮想空間の利用

VR技術やゲーム・コンテンツ産業の発展に伴い、現実とは異なる三次元の仮想空間での交流や取引が拡大し、仮想空間での経済活動が現実世界に与える影響が今後も増大していくと考えられています。普及に向けては、法的課題と技術的課題の両面で解決を目指していく必要があります。

AIとビッグデータの活用

「Web3」では、AIやビッグデータの技術を活用し、情報をより効率的に分析できるようにすることが期待されます。大規模言語モデル(LLM)を始めとする生成系AIの技術発展と普及により、情報社会における人間の役割が変化しつつあります。

 「Web3」の時代では、新たなビジネスモデルや社会的な価値創出が期待されています。しかし同時に、テクノロジーの進化に伴う新たなリスクや課題も存在します。

 そのため、企業や組織が「Web3」の時代に適応するためには、これらの特性とリスクを理解し、適切な戦略を策定することが求められます。

image_web1~3

これからのビジネスで、なぜ「Web3」が重要か


 「Web3」のビジネスがこれから重要になる理由は、主に以下の4点を理解することで明確になります。

技術の進化と可能性

ブロックチェーン技術を中心とした「Web3」には、情報の分散化、透明性の向上、セキュリティの強化などが期待されます。これにより、データを保有する個人の自主性に応じた新たなビジネスモデル(例えば、DeFiやDAOなど)が実現できます。また、AIとの組み合わせにより、更なる業務効率化とパーソナライゼーションしたサービス提供が可能となります。

市場の成長

暗号資産の市場規模や、ブロックチェーン、VR/AR技術、AIを用いたスタートアップへの投資額が増加しており、海外の大手コンサルティングファームなどによる経済予測も成長性が示されています。ゼロ知識証明や大規模言語モデル(LLM)といった新たな技術も急速に成長しており、Web3のエコシステムはますます拡大し続けています。

個人ユーザーの需要

Web2の課題として、メガテック企業による情報の取得・独占・活用が指摘されています。各種サービスにおいて、国内外の個人ユーザーは表現の自由、データのプライバシー性、公平な経済的報酬を求めています。Web3はこれらの需要に対応することができ、その結果、個人ユーザーの参加とエンゲージメントが増加することが予想されます。

規制と社会的な変化

国内外の規制当局は、暗号資産やAIなどに対する規制を徐々に整備しています。制度環境が整うに連れて、Web3のビジネスモデルの法的課題が解決され、より多くの企業が参入しやすくなります。

 「Web3」は新たなビジネスチャンスを生み出し、既存の産業を変革する力を持っています。しかし同時に、テクノロジーの発展動向、市場の変動や規制変更の不確実性など、新たなリスクと課題も存在します。そのため、企業や組織がWeb3のビジネスに取り組む際には、これらの要素を考慮した戦略策定とリスク管理が必要です。